アレルギーリスクの低い次世代染料「グロス染料」誕生！
ヘアカラーはよく染まるけれどアレルギーリスクが心配。髪や頭皮へのダメージも気になる。
そんな従来のヘアカラーとは違い、アレルギーリスクの低く髪や頭皮を傷めにくい新しい染料「グロス染料」が誕生しました。
「グロス染料」は、界面活性剤メーカーである日華化学が、界面科学・高分子化学を中心とするサーフェスサイエンス技術と、頭髪用化粧品ブランドであるデミ コスメティクスの持つ毛髪科学や皮膚科学に基づいた浸透・染色技術を集結して開発したもの。
長年培った合成技術を活用して、アレルギーリスクが低く、地肌にもやさしく、彩度が高い発色を実現した新しい次世代型の染料です。
白髪染めの染料の種類
現在、白髪染めの染料には次の4種類があって、それぞれに特徴があります。
- ヘアカラー（アルカリカラー）に含まれる「酸化染料」
- ヘアマニキュアに含まれる「酸性染料」
- カラートリートメントに含まれる「塩基性染料」
- ヘナ等の「植物染料」
ヘアカラーに含まれる「酸化染料」
アルカリ剤でキューティクルを開いて、分子サイズの小さい酸化染料を髪の内部に浸透させてから、過酸化水素と結合（酸化重合）して発色します。
アルカリ剤で元の髪色を脱色してから髪を染色するため、思い通りのカラーに染めることができ、一度の使用でしっかり染まるメリットがあります。
反面、アルカリ剤や過酸化水素は髪のダメージや頭皮への刺激を引き起こす要因になります。
また、分子の小さな酸化染料が頭皮に入り込むことで、アレルギー反応を起こす可能性もあります。アレルギー反応が出ないか事前に確認するために、使用する前に毎回パッチテストが必要になります。
ヘアマニキュアに含まれる「酸性染料」
酸性染料は、髪のキューティクルを開くことなく、髪表面に染料をのせて染色します。
分子サイズが大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染色するため髪や頭皮への刺激が少ない反面、ヘアカラーに比べて染毛力が弱く、カラーの持続日数も短いデメリットがあります。また頭皮に付着すると染まってしまいやすい傾向にあります。
カラートリートメントに含まれる「塩基性染料」
塩基性染料も、ヘアマニキュアと同じく、髪のキューティクルを開くことなく、髪表面に染料をのせて染色します。
分子サイズが大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染色するため髪や頭皮への刺激が少ない反面、ヘアカラーに比べて染毛力が弱く、カラーの持続日数も短いデメリットがあります。
塩基性染料は、現在使われているヘアカラーリング剤の染料の中で最も安全性が高いと言われており、トリートメント成分との相性が良いのも特徴です。そのためカラートリートメントにはトリートメント成分が多く配合されています。
ヘナ等の「植物染料」
植物染料も、髪のキューティクルを開くことなく、髪表面に染料をのせて染色します。
分子サイズが大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染色するため髪や頭皮への刺激が少ない反面、ヘアカラーに比べて染毛力が弱く、カラーの持続日数も短いデメリットがあります。
植物染料は、準備が面倒で、染色に時間がかかるデメリットがあります。匂いも強く、扱いが難しいので使う人を選ぶ染料です。
「グロス染料」の特徴
今回誕生した「グロス染料」は、髪へのダメージや頭皮への刺激が少なく、アレルギーリスクを大幅に低減した、さらに美しい発色も実現するという、既存染料の優れた特長を併せ持った、これまでにない新しい染料です。
アレルギーリスクを大幅に低減
「グロス染料」は、アレルギー要因となるパラフェニレンジアミンなどの酸化染料を使っていません。
酸化染料よりも分子サイズが大きい染料であるため、染料が頭皮に入り込みにくく、頭皮のタンパク質と結合しにくいため、アレルギーリスクを引き起こすリスクが低減しています。
ダメージレス、低臭、低刺激のカラーリング
アルカリ剤や過酸化水素が使われていないので、髪へのダメージがなく、頭皮への刺激を抑えて髪を染めることができます。
酸化染料は毛髪内に浸透し、過酸化水素の力で染料同士が酸化結合することで発色しますが、「グロス染料」はすでに発色している染料のため、過酸化水素を使う必要が無く、酸化による髪へのダメージなく染色することができます。
アルカリ剤や過酸化水素は、髪を染めた後も一定期間髪や頭皮に残留して悪影響を及ぼすことが知られていますが、そのような成分残留の心配もありません。
日華化学の頭髪用化粧品ブランドであるデミ コスメティクスで、このグロス染料を使って今後製品開発をしていくとしており、早期の商品の発売が待たれます。
