白髪染めで白髪が増える?ヘアカラーの過酸化水素が原因?
白髪染めを使っていると白髪が増えるのはホント?
白髪染めを使い始めてから、余計に白髪が増えてきたような気がします。白髪染めを続けているときは当然白髪が目立つことはないのですが、しばらく白髪染めをしていないときの状態では、以前に比べ明らかに白髪の量が増えているように感じます。
白髪染めを使っていると白髪が進行してしまうという話も聞いたことがあるので気になっています。
年齢とともに白髪も増えているのは仕方がありませんが、白髪染めで白髪が増えてしまうのであれば、染めるのを止めた方が良いのではないかと思っています。
ヘアカラーの使用が白髪を増やしている要因かもしれません
一般的に市販されている多くの白髪染めは酸化染料を使ったヘアカラータイプで、特にメンズ白髪染めの多くはこのタイプです。ヘアカラーには酸化染料と化学反応を起こすための「過酸化水素」が成分として配合されています。
この「過酸化水素」について、毛包への過酸化水素の蓄積が白髪の要因になる、という学会発表が2009年のFASEBジャーナルに掲載されており、蓄積された過酸化水素がメラノサイト損壊の修復を阻害することで白髪を増やしている可能性があります。
そもそも白髪ができる要因はなに?
髪の色というのはメラニン色素によって決定されています。メラニン色素の量が多いと光を吸収して髪は黒く見え、反対にメラニン量がほとんどなければ光を反射して白く見えます。
実は、誰でもできた瞬間の髪の毛は、着色された状態ではなく元々は真っ白の状態なのです。
髪は真っ白な状態で生まれる
髪の毛が頭皮内で成長する過程で、メラノサイト(色素細胞)が作り出したメラニン色素が髪に取り込まれることで色が付いていきます。
何らかの要因でこのメラノサイトの機能が低下してしまい、うまくメラニン色素を作り出すことができなくなると、その結果、白髪が発生することになります。
メラノサイトの機能低下によって白髪になる要因は様々ありますが、最も大きな要因は老化です。髪の色を決めるメラニン色素を生成するには「チロシナーゼ」という酵素が必要不可欠なのですが、年を取るとともにチロシナーゼの量が減ったり働きが弱くなってしまい、メラニン色素を作ることができなくなることがあります。
老化以外にも、睡眠不足や乱れた食生活など生活習慣に問題があったり、過多なストレスを抱えていたり、必要な栄養が充分に足りていないときなどにもメラノサイトの働きを低下させ白髪を発生させる要因になることがあります。遺伝や病気によっても白髪になる場合があります。
詳しくはこちらの記事も参照ください。⇒ (参考記事)白髪を予防・改善する方法
また、過酸化水素の蓄積によっても白髪ができるということが最近の研究で分かってきています。
これはアメリカの学会で発表されたもので、一般的に市販されている多くの白髪染め(ヘアカラー)に含まれる過酸化水素が髪に蓄積されることでメラノサイトの働きを阻害し、結果白髪ができる要因になってしまうというものです。この内容は下でもう少し詳しくご説明していきます。
ヘアカラーの過酸化水素が白髪の原因?!
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが「過酸化水素」とは活性酸素の一つです。消毒薬の「オキシドール」と言えばイメージしやすいでしょうか。
直接目にする機会は少ないですが、実は我々の身の回りの物でも、この過酸化水素を含むものはたくさんあります。
消毒液や殺虫剤、漂白剤、歯磨きなどの製品にも過酸化水素が使われています。白髪染めやヘアカラー、ブリーチなど多くのヘアケア製品にも髪の色を脱色する目的で過酸化水素が配合されているものが多くあります。
過酸化水素に物を白くする働きがあることを考えると、過酸化水素によって髪が白くなってしまうことも納得できます。
また直接脱色する働き以外にも、過酸化水素が髪に蓄積されることによっても白髪が発生してしまうメカニズムがFASEBジャーナル(実験生物のためのアメリカの学会連合)に研究結果として発表されています。
この発表によれば、過酸化水素が過剰に蓄積されることで、メラニン色素を生成するための「チロシナーゼ」酵素を酸化させてしまい、メラノサイトの機能が低下し色素を作り出す働きを阻害してしまうようです。
若いうちは過酸化水素を無害の水と酸素に分解する働きを持つ「カタラーゼ」という酵素が体内に多く存在するため、チロシナーゼの酸化を抑えることができますが、老化とともに過酸化水素の蓄積量が増え、またカタラーゼ酵素自体も減ってしまうことから、メラノサイトの働きが落ち白髪を増やしてしまうことになるようです。
白髪を増やさない白髪染めを使おう
以上のことから、過酸化水素を含むヘアカラーや白髪染めを続けると白髪になりやすいといえます。白髪を染めることで表面的には白髪を隠すことはできますが、地毛自体の白髪の量は逆に増えてしまっている可能性があり、これでは本末転倒です。
ヘアカラーには、アレルギー発症のリスクや、頭皮に染料が触れることで薄毛や抜け毛のリスクを高める可能性もあります。一度でしっかり染まって色持ちが良いというメリットも大きいですが、デメリットも十分考慮して白髪染めを選ぶと良いでしょう。
特にある程度の年齢の方であれば極力こういった製品を避け、無添加のヘアマニキュア(ヘアカラートリートメント)などを利用されると良いでしょう。キューティクルを開くことなく髪の表面に着色するタイプのヘアカラートリートメントであれば、基本的には過酸化水素が含まれていません。
当サイトでご紹介している各白髪染めの添加物の項目で「無添加」と記載されているものを選んでいただくと安心して使用いただけると思います。
代表的な無添加ヘアカラートリートメント
- 利尻ヘアカラートリートメント…過酸化水素・ジアミン系成分を無添加
- LPLPヘアカラートリートメント…過酸化水素・ジアミン系成分を無添加