白髪を見つけると、ついつい抜いてしまいたくなるという方も多いことでしょう。中には、常に気になってしまい、短い白髪まで探し出して抜く癖がついてしまっている方もおられます。

実際のところ「白髪を抜くと増える」というのは本当なのでしょうか。

結論から言うと『白髪を抜いても白髪が増えることはありません』し、逆に白髪が減ることもありません。

これは白髪が生えるメカニズムを考えると理解しやすいです。

白髪が生えるメカニズム

誰でもできた瞬間の髪の毛は、着色された状態ではなく元々は真っ白の状態です。髪の毛が頭皮内で成長する過程で、メラノサイト（色素細胞）が作り出したメラニン色素が髪に取り込まれることで色が付いていきます。

しかし何らかの要因でこのメラノサイトの機能が低下してしまい、うまくメラニン色素を作り出すことができなくなると、その結果、白髪が発生することになります。

そのため、メラノサイトの機能が低下した毛穴に生えていた白髪を抜いたとしても、次に同じ毛穴から新しく生えてくる髪は基本的には白髪になることになります。

それでは、白髪を抜くと白髪が増えたように感じるのでしょうか。

その理由は、白髪が目立ち始める時期や気になり始めるタイミングと関係があります。

一般的に、白髪が目立ち始める、あるいは気になり始めるときには、白髪自体が少しずつ増えている事が多いもの。白髪を抜いた、抜かないに関わらず、実態として白髪が増えている状態になっていると言えます。

白髪が生えるメカニズムでも見たとおり、白髪を抜いてもその毛穴から生えてくる髪の毛は白髪です。頭全体の白髪が増えつつある中、白髪を抜いた後にまた白髪が生えてくることで、「白髪を抜いたら白髪が増えた」と感じる方が多いのではないかと考えられます。

気になる白髪、抜く行為には問題がないのでしょうか。

答えはNo！
白髪を抜くことはなるべく避けたほうがよいでしょう。

白髪を無理に抜くことで、頭皮の毛穴や毛細血管などを傷つけてしまう可能性もあります。

また、頭皮を拡大鏡で見てみると、一つの毛穴から髪の毛が2～3本生えてくることが分かります。毛抜きで白髪を抜くときに、同じ毛穴の他の毛母細胞も傷つけてしまえば、複数本の髪の毛に影響が出てきます。

毛母細胞に繰り返しダメージを与え続けることで、その毛穴から髪の毛が生えてこなくなってしまうこともあるのです。

将来的には「はげる」リスクもあり、毛を抜く行為はデメリットが大きいと言えます。

白髪を見つけては抜くを繰り返しているうちに、中には、白髪を抜く行為を「楽しい」「気持ちいい」と感じてしまうようになってしまう方がいます。

白髪を抜くときのチクっとした刺激とともに、白髪がきれいに抜けるのを見るのはストレス発散になったり、快感を感じるというのは理解できますが、髪を抜く行為を続けるのは危険です。

髪の毛を抜く行為を快感と感じて癖になってしまうと、なかなかやめられなくなってしまいます。白髪を探し出して残さず抜いてしまわないと気が済まない、なんてことにも。

髪の毛を抜く行為は、先ほどからお伝えしているとおり、頭皮ダメージの原因になり、将来の薄毛の元にもなりかねません。

白髪を抜くのが楽しいと感じてしまう方は要注意。癖になってしまわないうちに早めに抜くのをやめるようにしましょう。

目立つ白髪が気になるときは、抜くのではなく、ハサミでカットするのがお勧めです。

カットなら頭皮にダメージを与えることもありません。

さらに白髪の量が増えてきて、ハサミでのカットでは追い付かなくなれば、定期的な白髪染めで白髪ケアをしていくことになります。

また上の項目で記載したとおり、白髪はメラノサイトの機能低下で発生するもの。

メラノサイトの機能が低下する最も大きな要因は老化ですが、生活習慣に問題があったり、過多なストレスを抱えていたり、必要な栄養が充分に足りていないなども要因となりますので、そもそも白髪ができるのを予防・改善するような生活習慣の見直しをしてみるのも良いと思います。

髪の栄養補給で白髪予防をしたい方はこちらも参考になります。