塩シャンプーで白髪は減らせる?育毛にも効果あり?
塩シャンプーで白髪は減らすことができるの?
塩で頭皮を洗う塩シヤンプーを使うと白髪を減らすことができるという記事を見かけました。
白髪だけでなく、薄毛や抜け毛などの予防にもなるようですが、本当に塩シャンプーにそのような効果があるのでしょうか。
白髪が増えてきた上に、髪のボリュームも減ってきているので、もし頭皮に良いのであれば切り替えてみたいと思っています。
市販のシャンプーからの切替なら限定的に効果を期待
市販のシャンプーに使われる洗浄力の強い合成界面活性剤が要因で、頭皮を乾燥させてしまったり、頭皮環境を悪化させていることがあります。その場合、塩シャンプーに切り替えることで、頭皮環境を改善し、その結果白髪を減らすことができる可能性はあります。
ただし、塩シャンプーに白髪を減らす成分が入っている訳ではなく、市販のシャンプーを使わないことによる限定的な効果と言えます。
一般的に言われている塩シャンプーの効果
話題の塩シャンプー。ネットの口コミや、スカルプケア・ヘアケアの専門サイトで紹介されていることも多く、関連書籍が出版されているのを見かけるようにもなりました。
髪のトラブルの大きな要因として「皮脂の落とし過ぎ」が知られていますが、塩シャンプーの場合、強力な合成界面活性剤が含まないことから、頭皮に必要な皮脂を落とし過ぎることがない安全なシャンプー方法と言われています。
塩シャンプーの効果としては、次のようなものが挙げられています。
- 塩シャンプーは白髪を減らす
- 塩シャンプーは抜け毛を減らし薄毛を予防する
- 塩シャンプーは頭皮の嫌な匂いを取る
など、男性なら思わず飛びつきたくなるような効果が挙げられています。書籍の中には、塩シャンプーで「髪が増える」と謳っているものまであります。
塩シャンプーにこれらの効果が本当にあるのであれば、市販のシャンプーをやめて、是非とも使ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、ご質問をいただいている塩シャンプーについて、成分から期待できる効果、あまり期待できなさそうな効果、塩シャンプーを使うときの注意点などをご紹介します。
塩シャンプーに白髪を減らす効果はある?
まず一つ目は、塩シャンプーに白髪を減らす効果があるのかという点です。
結論から先に言えば「塩シャンプーに白髪を減らす直接的な効果はないが、市販のシャンプーを使わなくなることで間接的に白髪が減る可能性がある」と考えられます。
市販のシャンプーの多くは、高級アルコールを原料としている石油系合成界面活性剤シャンプーです。高級と言っても、いわゆる品質が高いと言う意味ではなく、含まれる炭素数が高いことを指しています。
高級アルコール系の界面活性剤は、泡立ちが良く洗浄力が高いことから、シャンプーの主成分として昔からよく使用されてきました。また安価に作ることができるため、低価格で購入できるメリットもあります。
シャンプーに使われている洗浄剤はボトルに記載されている成分を見ると分かります。
成分表の中に、ラウレス硫酸ナトリウムやラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの成分が記載されていれば高級アルコール系シャンプーということになります。
高級アルコール系シャンプーは、高い洗浄力で髪の汚れや頭皮の皮脂をきれいに洗い流すことができ、使った後にも爽快感もあるのですが、反面「洗い過ぎ」にもなります。
実は、この「洗い過ぎ」というのが、頭皮にとっては大きな問題なのです。
皮脂の落とし過ぎが頭皮トラブルの元
頭皮の皮脂というのは全て洗い流してしまえば良いというものではありません。もちろん汚れや余分な皮脂は落とす必要がありますが、皮脂には外部からの物質の侵入や刺激から守り、頭皮から水分が蒸発するのを防ぐバリア機能としての重要な働きもあります。
皮脂を全て洗い流してしまうことで、このバリア機能が失われてしまい、頭皮の乾燥を招いたり、かゆみや炎症を起こすなど頭皮トラブルにつながりやすくなります。
また、頭皮が乾燥すると、頭皮は乾燥を防ぐために必要な皮脂を分泌しようと働きます。そのためきれいに皮脂を落としても、過剰に分泌される皮脂で頭皮がベタつき、そのベタつきを解消するためにまた強力なシャンプーで洗い流すことになります。
強力なシャンプーで洗う → 必要な皮脂を洗い流す → 頭皮が乾燥 → 過剰に皮脂が分泌→ 強力なシャンプーで洗う → 必要な皮脂を洗い流す → 頭皮が乾燥 → 過剰に皮脂が分泌→ 強力なシャンプーで洗う ・・・ (繰り返し)
といったように悪循環が繰り返されることになります。過剰に分泌される皮脂が毛穴に詰まったり、皮脂が酸化すると頭皮環境を悪化させてしまい、白髪や薄毛などの要因にもなってしまいます。
塩シャンプーなら頭皮の洗い過ぎの心配なし
その点、塩シャンプーには強力な洗浄成分が配合されていないため、頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまう心配がありません。
ただし、塩シャンプーはお湯に塩を混ぜただけのものです。塩シャンプー自体に、直接的に白髪を減らす働きが期待できるわけではありません。
白髪はメラノサイトの機能が低下することでメラニン色素がうまく生成することができなくなり、髪に色がつかず白いまま生えてくることが原因です。塩シャンプーに、このメラノサイトに働きかける作用はありません。
あくまでも、塩シャンプーへ切り替えることで、頭皮環境を悪化させる要因になる市販のシャンプーを使わないことになり、頭皮環境の悪化が抑えられるというだけです。
市販のシャンプーと距離を置くという意味では、塩シャンプーにこだわる必要はなく、お湯だけで洗う「湯シャンプー」や、洗浄力の優しい「アミノ酸系シャンプー」に切り替えても同じ効果が期待できると言えます。
塩シャンプーに薄毛を改善する効果はある?
次に、多くの男性が気になるであろう、塩シャンプーに薄毛を改善する効果があるのかという点です。
薄毛に関しても、考え方は白髪と同じです。
結論から先に言えば「塩シャンプーに薄毛を改善する直接的な効果はないが、市販のシャンプーを使わなくなることで間接的に薄毛が改善する可能性がある」となります。
抜け毛や薄毛の要因には頭皮環境が大きく関係しています。頭皮と髪は、例えるなら大地と木のようなものです。土壌が豊かでないと立派な木は育たないように、健康な髪を育てるためには頭皮の環境を整えることが必要不可欠です。
市販のシャンプーから塩シャンプーに切り替えることで、頭皮環境の悪化を抑えることができれば、結果的に抜け毛や薄毛の改善にもつながると考えられます。
塩シャンプーに薄毛改善の直接的効果は期待できない
頭皮環境の悪化を抑えられることによる効果は期待できますが、塩シャンプーに抜け毛や薄毛を改善する成分は入っているわけではないため、塩シャンプーが抜け毛や薄毛の改善に直接働くことは期待できません。
また、男性の薄毛の要因の多くはAGA(男性型脱毛症)ですが、AGAは男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという還元酵素と結合することで、ジヒロテストステロン(DHT)というヘアサイクルの成長期を短くするホルモンが発生することが要因です。
多くの育毛剤には、テストステロンと5αリダクターゼの結合を阻害する成分が配合されており、ジヒロテストステロン(DHT)への変換を抑えることでAGAの改善効果を期待しています。
当然ですが、塩シャンプーにはこのような成分は配合されておらず、AGAを改善する効果は期待できません。
塩シャンプー自体に抜け毛や薄毛を改善する働きはなく、頭皮環境を整える働きもあるわけでもありません。あくまでも、市販の洗浄力の強いシャンプーに比べて、相対的に頭皮環境の悪化につながりにくいというだけであることを理解しておきましょう。
塩シャンプーで頭皮の匂いは取れる?
3つ目は、塩シャンプーを使うことで頭皮のあの嫌な匂いが取れるのかという点です。
結論を言うと「塩シャンプーで頭皮の匂いは抑えることができる」と考えられます。
頭皮の匂いは、過剰に分泌した皮脂が毛穴に詰まり、時間とともに酸化してしまうことが大きな要因です。
そのため、市販のシャンプーの使用を控えて塩シャンプーに切り替えることで、皮脂の過剰な分泌を抑えることができれば、匂いの元を減らすことができます。
また塩には殺菌作用があることが知られています。保存食などに大量の塩が使われるように、細菌の繁殖を防ぎ、長期に保存する方法として古くから塩が使われています。
頭皮にも細菌が存在し、皮脂をエサにして繁殖することで匂いの原因になりますが、塩の殺菌作用で、細菌の繁殖を抑えることができます。
塩シャンプーで頭皮の匂いを全て消すことができるわけではありませんが、一定の効果は期待できると考えられます。
塩シャンプーだけでは汚れや皮脂を落としきれない心配
塩シャンプーを使えば、頭皮に必要な皮脂を落としてしまう心配は少ないですが、反対に、落とすべき汚れや皮脂が髪や頭皮に残ってしまう心配があります。
塩シャンプーには塩しか入っておらず、洗浄成分は入っていませんので、泡立ちもなく、汚れや皮脂の洗い残しが出やすくなります。
特に皮脂の量が多い男性や、ハード系のワックスやスプレーなど油分の多い整髪料を使っている方などは、塩シャンプーだけで洗い落とすのが難しい場合があります。
汚れや皮脂の洗い残しが出ると、毛穴詰まりや溜まった皮脂の酸化などの要因になり、洗い過ぎと同じく頭皮環境の悪化につながってしまいます。
もし髪に脂分が多いときは、塩シャンプーをする前に、リンスやコンディショナーを使って先に髪を洗うとある程度脂分を落とすことができます。このときリンスやコンディショナーがなるべく頭皮に流れないように注意しましょう。
頭皮は、皮脂を洗い過ぎても良くありませんし、皮脂が残り過ぎても良くありません。汚れや余分な皮脂だけをきちんと洗い流し、必要な皮脂まで洗い流してしまわないことが重要です。
塩シャンプーに切り替えて、逆に頭皮環境を悪くしてしまっては意味がありません。塩シャンプーを使うときには、洗い残しが出ないようによく注意しましょう。
結局のところ塩シャンプーは良いの?良くないの?
結局のところ、塩シャンプーは頭皮に良いのでしょうか。
市販のシャンプーのように頭皮環境を悪化させにくいという点では、塩シャンプーは頭皮に良いと言うことができますが、塩シャンプー自体に何らかの効果があるわけではない点に注意が必要です。
皮脂の分泌の少ない男性やあまり油分の多い整髪料を使わない男性であれば、塩シャンプーを使っても良いと思います。
市販のシャンプーによる洗い過ぎが頭皮トラブルの原因になっていることも多く、そういった方が洗浄力の強いシャンプーから距離を置くことで頭皮トラブルの改善につながることもあります。
男性の場合は女性に比べ皮脂の分泌量が多く、ハード系のワックスでセットしている方も多いので、塩シャンプーだけではきちんと脂分を落としきれないこともあります。
頭皮の状態や使い方に合ったシャンプーを選ぶ
塩シャンプーが良いか悪いかという判断ではなく、自分の頭皮の状態や使い方・ライフスタイルに合ったシャンプーを選ぶことが重要です。
人によっては洗浄成分の強いシャンプーでしっかり洗うことで適切な皮脂量になっていることもあるかもしれません。頭皮の匂いが気になる方には、匂い対策用のシャンプーを使った方が効果的な場合もあります。
塩シャンプーはコストがかからないのも大きなメリットですが、塩シャンプー自体に大きな効果があるわけではありません。
本当に髪や頭皮のことを考えるのであれば、コストをかけてでも「スカルプシャンプー」や「育毛シャンプー」などがオススメではあります。
スカルプシャンプーは、その名のとおり頭皮環境を一番に考えて作られたシャンプーです。髪や頭皮を構成するタンパク質と同じアミノ酸で作られた洗浄成分で、髪や頭皮に刺激を与えないことが特徴です。
頭皮のオイルコントロールがしやすく、あまり意識しなくても、スカルプシャンプーを使うだけで、頭皮の潤いを失わずに、汚れや不要な皮脂だけを落とすことができます。
髪の健康の第一は頭皮の健康です。
自分に合ったシャンプーを選んで、健康な頭皮環境を維持しましょう。
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