

ヘアマニキュアとカラートリートメントの違い
白髪染めはヘアカラーリング剤の一種で、下の表のとおり、大きく分けて医薬部外品である「染毛剤」と化粧品である「染毛料」の2つに分類されます。
「ヘアマニキュア」も「ヘアカラートリートメント」も、どちらも同じ「染毛料」のカテゴリーに該当し、その中でも「半永久染毛料」に分類されます。
『半永久』とあるように、「ヘアマニキュア」「ヘアカラートリートメント」は、髪を染めた後、繰り返しシャンプーをすることで染めたカラーが徐々に色落ちしてくるのが特徴です。
ヘアカラーやヘアダイなどの酸化染毛剤の場合は、髪のキューティクルを開きメラニン色素を分解(脱色)してから、染料を化学反応させて髪内部に留めるため、一度染めれば永久的に髪に色が残ります。(ただし新しく生えてくる部分は白髪です)
半永久染毛料は、キューティクルを開けることなく、髪の表面付近だけを染めるため、酸化染毛剤に比べて染まりは弱く、少しずつ色落ちをしてしまいますが、髪や頭皮へダメージを与えることなく染めることができます。
このように、「ヘアマニキュア」「ヘアカラートリートメント」は半永久染毛料として、どちらも「シャンプーで徐々に色落ちしていく」「髪や頭皮へダメージを与えずに染められる」といった共通の特徴がありますが、配合される染料、期待される効果、使い勝手など異なる部分も多くあります。
今回は、違いの分かりにくい「ヘアマニキュア」と「ヘアカラートリートメント」について、どんな違いがあるのか、それぞれどんな男性に向いているのかをご説明します。
ヘアマニキュアとカラートリートメントの比較表
ヘアマニキュアとカラートリートメントを比較すると次のようになります。
比較項目 | ヘアマニキュア | カラートリートメント |
染料 | 酸性染料(タール色素) 安全性:中 | 塩基性染料・HC染料 安全性:高 |
色持ちの期間 | 約1~2週間 (商品にもよる) | 約1~2週間 (商品にもよる) |
使い方 | 乾いた髪に使用 ブラシや手袋を使って染める | 基本はシャンプー後に使用 素手でも染められる |
トリートメント効果 | 低い | 高い (商品により効果には差あり) |
価格 | 1,000円前後 ドラッグストアで入手可能 | 3,000円前後 通販で入手するものが大半 |
主な商品 |
ヘアマニキュアの特徴
ヘアマニキュアは、その名の通り、マニキュアのように髪をコーティングをするように染色します。
髪のキューティクルを開くことなく、髪の表面付近に染色するため、髪を傷めずに染めることができます。
主に使用される染料は「タール系色素(酸性染料)」です。成分表には「黒401」「赤227」など「色+番号」で表記されます。
タール系色素は皮膚に吸収されやすいため、素手で使うと手や指を染めてしまい、また頭皮に付着すると、頭皮が染まってしまうため、あまり髪の根元の生え際まできれいに染めるのが難しい場合があります。
色持ちは約1週間(2週間くらいは何とか許容)。ヘアマニキュアを紹介しているサイトでは、「ヘアマニキュアの色持ちは3週間ほど」と書かれていることも多いのですが、いくつかのヘアマニキュアで実測する限りでは1週間ほどで色落ちしてきます。
美容室などで染めてもらう場合は3週間程度色持ちするのかもしれませんが、家庭用のヘアマニキュアではヘアカラートリートメントと比べても色持ちは同程度かむしろ短めの印象です。
もう一つヘアカラートリートメントとの大きな違いは配合されている成分です。ヘアカラートリートメントには、その名のとおりトリートメント成分が豊富に配合されています。
ヘアマニキュアにも保湿成分やトリートメント成分は配合されていますが、配合量は申し訳程度で、トリートメントの効果は限定的です。髪の健康を維持するためには別途トリートメントを使う必要があります。
反面、高価なトリートメント成分が配合されていないため、その分価格が安く抑えられているといったメリットがあります。ドラッグストアで取り扱いをしていることも多く、必要なときに入手できる手軽さもあります。
ただし、最近は半永久染毛料のカテゴリーはヘアカラートリートメントが主流になりつつあり、ヘアマニキュアは昔ながらの商品がほとんどで、あまり選択肢は多くありません。
ヘアマニキュアのメリット
- 髪や頭皮を傷めずに白髪を染められる
- 価格が安く継続しやすい
- ドラッグストアなどでの取り扱いが多く入手しやすい
ヘアマニキュアのデメリット
- 頭皮にも染まりやすく髪の根元まで染めにくい
- トリートメント効果は期待できない
- 素手で染められずブラシや手袋の用意が必要
- 新商品の販売が少なく選択肢も少ない
ヘアマニキュアはどんな男性にオススメ?
ヘアマニキュアは髪や頭皮を傷めずに、しかも安く使えるメリットがありますが、実際に使ってみると、根元の生え際に染め残しが出やすく、どうしても染め直しの頻度が上がってしまいます。
まだそんなに白髪の多くない男性や、これまでヘアカラーを使ってきてヘアマニキュア系の白髪染めを試してみたい男性にオススメです。
トリートメント効果は限定的ですので、髪の細りやボリュームダウンなど髪の悩みが増えてくる男性にはヘアカラートリートメントの方が良いでしょう。
代表的なメンズヘアマニキュア
男性向けに販売されているヘアマニキュア
ヘアカラートリートメントの特徴
ヘアカラートリートメントは、シャンプー後のトリートメント替わりに使うことができる白髪染めです。
ヘアカラートリートメントも、ヘアマニキュアと同様、髪のキューティクルを開くことなく、髪の表面付近に染色するため、髪を傷めずに染めることができます。
ヘアカラートリートメントには、主に「塩基性染料」と「HC染料」を組み合わせて染料として使われています。成分表では「塩基性青75」や「HC青2」などと、塩基性染料は「塩基性+色+番号」、HC染料は「HC+色+番号」と表記されます。
塩基性染料・HC染料は、刺激もなく、現時点でもっとも安全性の高い染料と言われており、安心安全に白髪染めをすることができます。各メーカーは、塩基性染料とHC染料をバランスよく配合させることで、色持ちと発色を工夫しています。
塩基性染料はトリートメント成分と相性が良いのが特徴です。豊富なトリートメント成分の配合されたヘアカラートリートメントが多く販売されるようになったのは、塩基性染料が白髪染めに配合できるようになったことが大きな理由です。
また、ヘアマニキュアと違って、染料が頭皮に付着しても、洗い流せば色が定着することがありませんので、髪の根元までしっかり染めることができます。白髪が目立ってくるのは生え際なので、根元までしっかり染められることは重要です。
色持ちは商品によっても違いますが、実測で5日~10日程度(2週間くらいは何とか許容)。週に1回染め直すことで、きれいな髪色をキープすることができます。
トリートメント効果が高く、配合されている成分によっては、使った後も髪がツヤツヤして、フンワリと仕上がるものもあります。
トリートメント成分が配合されているため価格設定は高めで、3,000円前後が相場です。
ドラッグストアでの取り扱いも少なく、基本的には通販での購入になってしまいます。(通販は手間ではありますが、初回は割引価格で買えるなど通販ならではの特典もあります)
ヘアカラートリートメントのメリット
- 髪や頭皮を傷めずに白髪を染められる
- トリートメント効果が期待できる
- 素手のままで染めることもできる
- 頭皮が染まらないので髪の根元まで染められる
ヘアカラートリートメントのデメリット
- ヘアマニキュアに比べ価格が高め
- 男性向けのカラートリートメントが少ない
- 通販商品が多く店頭で見ながら購入しにくい
ヘアカラートリートメントはどんな男性にオススメ?
安全に髪や頭皮を傷めずに染められるヘアカラートリートメントは、どんな男性にもオススメですが、白髪が増えてきた男性や、白髪以外にも髪の悩みが多くなってきた男性に特にオススメです。
ただ、ヘアカラートリートメントは多くの種類が販売されていますが、ほとんどが女性向けの商品設計になっており、男性向けのヘアカラートリートメントはまだほとんど見当たりません。
販売サイトを見ても、いかにも女性向けの白髪染めのようで男性が購入するには少し抵抗がありますが、商品自体は男女兼用ですし、良い商品が揃っています。髪をいたわりながら染めることができますので、実は髪の悩みの多い男性にこそマッチした白髪染めです。
代表的なヘアカラートリートメント
男性にも使いやすいヘアカラートリートメント(男女兼用)
