ヘアカラー・白髪染めの染毛剤による皮膚障害
白髪染めによる皮膚障害に要注意
消費者安全調査委員会から、ヘアカラーや白髪染めなど医薬部外品の染毛剤による皮膚障害について報告書が発表されていました。
ドラッグストアの店頭に並ぶ、さまざまな色やタイプの白髪染め。自宅で手軽に毛染めができることから年代や性別を問わず広く使われています。
しかしながら、ヘアカラーや白髪染めなどの一部商品で、アレルギーによって皮膚が大きく腫れ上がるなどの事例が相次いでいます。
皮膚炎だけではなく、まれに深刻なアナフィラキシーを起こすこともあります。
ヘアカラーリング剤でよく使用される酸化染毛剤は、特にアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすく、このことは、理美容師や皮膚科医の間ではよく知られています。
消費者庁が調査した毛染めによる皮膚障害事例の件数の推移を見ても、5年前に比べ増加傾向にあります。白髪染めを選ぶときには注意が必要です。
ヘアカラーリング剤の種類
白髪染めにも種類があり、全ての白髪染めに同じように皮膚障害やアレルギーのリスクがあるわけではありません。
使われる成分や髪を染める仕組みに違いがあり、そのリスク量にも大きな違いがあります。
ヘアカラーリング剤(白髪染め)は毛髪を染めるための製品の総称で、医薬部外品である染毛剤の「酸化染毛剤」と化粧品である染毛料の「半永久染毛料」とに分類することができます。
特徴をよく理解したうえで自分に合った白髪染めを選びましょう。
酸化染毛剤(医薬部外品)
酸化染毛剤は、染毛成分が毛髪の内部深くまで浸透することによって染めるため、色落ちが少なく長期間効果が持続します。
また、毛髪に含まれるメラニン色素をいったん分解(脱色)してから髪を染めるため、染毛成分の違いにより明るい色にも暗い色にも希望通りのカラーに染めることができます。
酸化染毛剤には主成分として酸化染料(パラフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、パラアミノフェノール、トルエン-2,5-ジアミン等)が含まれています。
酸化染料はアレルギー性皮膚炎を引き起こしやすい物質でもあり、皮膚や頭皮の弱い方は特に注意が必要です。
皮膚の弱い方以外でも、使用の都度パッチテストを行う等、十分に注意して使用する必要があります。
半永久染毛料(化粧品)
半永久染毛料は、染料が毛髪の内部まで浸透せず、毛髪の表層部に吸着することによって毛髪を染める製品です。
代表的な製品であるヘアマニキュアやヘアカラートリートメントは、脱色を行わないため、酸化染毛剤と比べると髪を傷めにくいという特徴があります。
半面、表面に着色した色素が徐々に落ちてくるため、ヘラカラーのような染毛剤に比べ色持ちが短いというデメリットがあります。
リスクはゼロではありませんが、酸化染毛剤と比較すると、アレルギー性皮膚炎を引き起こすことは少なく、比較的安全に使用することができます。
最近では、通販で売られている白髪染めのほとんどがトリートメントタイプのヘアマニキュア(ヘアカラートリートメント)です。頭皮や髪の毛に悪影響がないことから、40代以上や抜け毛が気になる人にも人気があります。
代表的なヘアカラートリートメント