ヘアカラータイプの白髪染め
ヘアカラーはメンズ白髪染めの中では最もポピュラーです。ドラッグストアやスーパーマッケットの白髪染めコーナーに置いてある多くはこのヘアカラータイプです。
テレビCMでもお馴染みのメンズビゲンやルシードなどメジャーどころのブランドからも多くのヘアカラー商品が販売されています。
白髪染めを始めるときに最初に手に取ったという方も多いのではないでしょうか。
ヘアカラーは、ヘアカラーリング剤の分類上では、大きくは医薬部外品の「永久染毛剤」に分類され、さらに「酸化染毛剤」に小分類されます。ヘアダイなどと呼ばれることもあります。
男性の場合、面倒を嫌う方が多かったり、髪を染めることだけを目的に白髪染めを選ぶ方も多く、「メンズ白髪染め=ヘアカラー」と考えている方が多いようです。
売り場で男性用白髪染めの品揃えを見ても、ヘアカラーが中心で、メンズのヘアマニキュアやヘアカラートリートメントは女性向けほど充実していないのが実情です。
ヘアカラーは染まりの良さという明確なメリットがある反面、デメリットもあります。特に年齢とともに白髪だけでなく髪の悩みの増えてくる男性には注意すべき点もあります。継続して使い続けていくにしても、メリットとデメリットをよく理解しておくことが大切です。
ヘアカラータイプ白髪染めのメリット
ヘアカラータイプ白髪染めのメリットは色々ありますが主なメリットは次の3つです。
- 染まり・色持ちが良い
- 思い通りのカラーに染められる
- 入手しやすく価格が安い
染まり・色持ちが良い
ヘアカラーのメリットは何と言っても「染毛力の高さ」です。
染まり・色持ちともにヘアカラーにかなう白髪染めはありません。
ヘアカラーは一般的には、酸化染料・アルカリ剤である1剤と、過酸化水素の2剤を混ぜ合わせて使います。
アルカリ剤で髪のキューティクルを開き、過酸化水素と化学反応することで髪のメラニン色素を分解して脱色すると同時に、髪に浸透した酸化染料が発色します。染料同士が髪の内部で結び付くことで、染料が流れ出さず髪内部に留まります。
そのため、一度の使用でカラーがしっかり入り、その後にシャンプーを繰り返してもなかなか色落ちすることがありません。一度染めると1ヶ月程度は色持ちします。生え際の白髪は少し目立ってきますが、1ヶ月半くらいは許容できます。
ヘアカラーの染色の仕組み
思い通りのカラーに染められる
白髪も黒髪も全てメラニン色素を分解して髪を脱色してから染色する仕組みなので、白髪にも黒髪にもカラーが入り、明るいカラーにでも暗いカラーにでも思った通りのカラーに自由に染めることができます。
ヘアマニキュアやヘアカラートリートメントなどの場合は、髪の表面付近に染料をのせて染める仕組みのため、白髪のみ発色して、黒髪は元の髪色よりも明るく染めることができません。
入手しやすく価格が安い
近所のドラッグストアやスーパーマーケットに行けば、必ずと言っていいほどヘアカラータイプの白髪染めが入手できます。また種類も豊富です。
1つ1,000円前後のものが多く価格的にも入手しやすいメリットがあります。
ヘアカラータイプ白髪染めのデメリット
反面、ヘアカラータイプ白髪染めにはデメリットもあります。
- 髪や頭皮へのダメージが大きい
- アレルギーリスクが高い
- 染めるたびに面倒が多い
- 生え際の白髪が目立ちやすい
- 周りの人に白髪染めをしたことを知られやすい
髪や頭皮へのダメージが大きい
髪の毛というのは、下のイラストのように、キューティクル、コルテックス、メデュラという3層から成り立っています。
一番外にあるキューティクルが外壁のように髪を外部の刺激から守り、また髪内部の栄養や水分が流出することを防いでいます。
ヘアカラーはアルカリ剤を使ってキューティクルを開いてしまうため、タンパク質や栄養が流れ出してしまい、髪の細りや乾燥を招いてしまうことがあります。
またセルフカラーでは注意深く塗っても、髪の根元まできちんと染めようとすると、頭皮にも薬剤が付着してしまいます。ヘアカラーの薬剤は刺激が強く、直接地肌に触れてしまうと炎症やアレルギーの要因になり、頭皮環境を悪化させてしまいます。
頭皮環境が悪化した状態が続けば、白髪を増やす要因になるだけではなく、将来的には抜け毛や薄毛の要因にもなってしまいます。
アレルギーリスクが高い
ヘアカラーには主成分として酸化染料(パラフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、パラアミノフェノール、トルエン-2,5-ジアミン等)が含まれています。
これらの成分はいわゆるジアミン系成分と呼ばれるもので、アレルギー性皮膚炎を引き起こしやすい物質でもあり、皮膚や頭皮の弱い方は特に注意が必要です。
皮膚の弱い方以外でも、使用の都度パッチテストを行う等、十分に注意して使用する必要があります。
アレルギーを持っていない方でも、そのときの体調やヘアカラーを使用してきた回数や頻度によっては、アレルギー反応を起こすこともあります。毎回同じヘアカラーを使い、これまで何も問題がなくても、ある日突然アレルギー反応が現れることもあります。
染めるたびに頭皮が赤くなったり痒くなったりしている方は特に要注意です。繰り返しアレルギー症状を起こすことで、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を招いてしまう可能性もあります。
ヘアカラーを使う場合は、どんなに面倒でもパッチテストは必ず行ってください。
100%アレルギーを防ぐことはできませんが、パッチテストを実施することでリスクを大幅に低減することができます。
染めるたびに面倒が多い
ヘアカラーは染め直しの頻度自体は低くて済むのですが、毎回染めるときにはそれなりに手間がかかります。
先ほどのパッチテストもその手間の一つです。使うたびに毎回、染める2日前に実施しなければなりません。
染めるときも、汚れても良い服に着替え、生え際にクリームを塗ったりといった準備があります。
染め始めても何かと面倒があります。地肌に付着しないように髪の根元まで丁寧に染めようとすると時間もかかり、また髪全体に万遍なく塗らないと染め残しが出て染めムラになることもあり、丁寧に塗る必要があります。
染めた後もブラシの掃除や残ったヘアカラーのノズル掃除も何気に面倒です。
生え際の白髪が目立ちやすい
ヘアカラーを使って地肌に付着しないように塗るのは一苦労です。
どうしても生え際や後頭部などは染め残しが出やすく白髪が目立ってしまうことがあります。
また、ヘアカラーの染め直しの頻度は1ヶ月程度ですが、1ヶ月もすると髪は1cmほど伸びてきます。染めた髪はまだ黒くても、新しく生えてくる白髪が髪の根元にチラホラと出てきます。
男性の場合は髪の短い方が多く、生え際が露出していると、髪で隠せる女性に比べても生え際白髪が目立ちやすくなってしまいます。
周りの人に白髪染めをしたことを知られやすい
これは人によってはデメリットではないかもしれませんが、周りの人に白髪染めをしたことをあまり知られたくない方にとってはデメリットです。
ヘアカラーのメリットでもありますが、一度の使用できれいに染まるため、髪色の変化が急で染めたことが分かりやすくなります。
また、ヘアカラーは独特なツヤのようなものがあり、敏感な人にはヘアカラーを使って染めたことがすぐに分かってしまいます。
ヘアカラーはこんな男性に使いやすいです
- とにかく今すぐ白髪を染める必要がある男性
- 染め直しの頻度を少しでも減らしたい男性
- コストをかけずに白髪染めをしたい男性
ヘアカラーは今すぐ白髪を何とかしたいといった急を要する場合には非常に役に立ちます。
染まりが良くカラーの持続日数も長いので非常に便利な存在ではありますが、許容しがたいデメリットがあり、当サイトではあまり推奨していません。
利便性やコスト面にメリットを感じる方もおられますが、継続して使う場合には、十分リスクを理解したうえで使うことが重要です。
また面倒でも必ずパッチテストは実施してください。ヘアカラーを使っていく上で、アレルギーから自分を守る唯一の手段と言っても過言ではありません。
今後何年も使い続けることを考えると、ヘアカラーを使い続けるのではなく、トリートメントタイプの白髪染めに切り替えていくことをオススメします。