化粧品成分スペシャリストの資格を持つスタッフが、人気白髪染め「マイナチュレ オールインワン カラートリートメント」の全成分を徹底鑑定。配合されている成分の想定される役割や働き、副作用やアレルギーのリスクなどの安全性など評価しています。

 

一般的にカラートリートメントは髪や頭皮に優しい成分が使われていると言われていますが、メーカーごとに配合されている成分には結構違いがあります。

 

「マイナチュレ オールインワン カラートリートメント」は、1本で白髪ケア、スカルプケア、ヘアケア、エイジングケアの４つのケアができるオールインワンの白髪染めトリートメントが売りですが、その成分はどのようなものが配合されているのでしょうか？危険な成分は配合されていない？トリートメント成分は？

 

 

成分	分類	役割・働き	評価
水	水性成分	ベース成分。	○
セテアリルアルコール	油性成分	ヤシ油など天然油から抽出される高級アルコール。乳化安定の働き。	○
ミリスチルアルコール	油性成分	ヤシ油など天然油から抽出される高級アルコール。乳化安定の働き。	○
ステアルトリモニウムクロリド	界面活性剤	カチオン（陽イオン）界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。	△
水添ナタネ油アルコール	油性成分	ナタネ油を還元して得られる高級アルコール。乳化安定の働き。	○
フェノキシエタノール	品質保持剤	グリコールエーテルアルコールの一種。抗菌の働き。	△
炭酸水素アンモニウム	その他	炭酸のモノアンモニウム塩。pH調整の働き。	○
ヒドロキシエチルセルロース	品質保持剤	食物繊維から合成された高分子化合物。増粘の働き。	○
ステアリン酸グリセリル	界面活性剤	非イオン（ノニオン）界面活性剤。乳化安定の働き。	○
オレンジラフィー油	油性成分	ヒウチダイ科の魚オレンジラフィーから得られたオイル。保湿の働き。	○
イソプロパノール	その他	脂肪族のアルコール。溶媒、抗菌の働き。	○
クロルヒドロキシAl	効能効果成分	アルミニウム錯化合物。収れんの働き。	○
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)	油性成分	エステル油。エモリエントの働き。疑似セラミドとも呼ばれる。	○
コレステロール	油性成分	高級アルコールの一種。保湿、エモリエントの働き。	○
クエン酸	品質保持剤	柑橘類の果実に多く含まれる有機酸。pH調整、キレート剤の働き。	○
グリチルリチン酸2K	効能効果成分	マメ科植物カンゾウから抽出したグリチルリチン酸の誘導体。抗炎症の働き。	○
デキストリン	水性保湿剤	デンプンを加水分解して低分子化させた総称。増粘の働き。	○
ボタンエキス	植物エキス	ボタン科の植物ボタンの根の皮から抽出したエキス。抗炎症、血行促進の働き。	○
BG	水性保湿剤	ブチレングリコールのこと。保湿、減粘、抗菌の働き。	○
フユボダイジュ花エキス	植物エキス	シナノキ科の植物フユボダイジュの花から抽出したエキス。抗炎症、収れんの働き。	○
ヒドロキシプロピルシクロデキストリン	水性保湿剤	シクロデキストリンの誘導体。乳化安定の働き。	○
ホホバ種子油	油性成分	ホホバの種子から抽出したオイル。保湿、アンチエイジングの働き。	○
アルガニアスピノサ核油	油性成分	アルガンの種子から抽出したオイル（アルガンオイル）抗酸化、保湿の働き。	○
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル	油性成分	混合脂肪酸とグリセリンが結合したエステル油。エモリエントの働き。	○
コンフリー葉エキス	植物エキス	ムラサキ科のヒレハリソウから抽出したエキス。抗炎症の働き。	○
グリセリン	水性保湿剤	天然油脂を加水分解して得られる多価アルコール。保湿の働き。	○
加水分解ケラチン(羊毛)	水性保湿剤	ケラチンタンパク質を加水分解してできる成分。ヘア・頭皮コンディショニング。	○
デキストラン	水性保湿剤	グリコースからなる多糖類の一種。増粘の働き。	○
アセチルヘキサペプチド-1	その他	アミノ酸が結合してできたペプチド成分。頭皮コンディショニングの働き。	○
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa	界面活性剤	旭化成ファインケムの開発した成分（ペリセア）。髪のダメージ補修の働き。	○
γ-ドコサラクトン	その他	エルカラクトンとも呼ばれるナタネ由来成分。アンチエイジングの働き。	○
アシタバ葉/茎エキス	植物エキス	セリ科アシタバの葉・茎から抽出したエキス。保湿、血行促進の働き。	○
ガゴメエキス	水性保湿剤	ガゴメ昆布から抽出されるフコイダン含有エキス。保湿、頭皮コンディショニング。	○
ウコン根茎エキス	植物エキス	ショウガ科のウコンの根から抽出したエキス。天然色素。抗炎症の働きも。	○
セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス	植物エキス	オトギリソウ科セイヨウオトギリから抽出したエキス。抗酸化、収れんの働き。	○
トウキンセンカ花エキス	植物エキス	セリ科トウキンセンカの花から抽出したエキス。抗炎症の働き。	○
セイヨウノコギリソウエキス	植物エキス	キク科セイヨウノコギリソウから抽出したエキス。抗炎症の働き。	○
カミツレ花エキス	植物エキス	キク科の植物カミツレの花から抽出したエキス。消炎、保湿、養毛の働き。	○
アルテア根エキス	植物エキス	アオイ科の植物アルテアの根から抽出したエキス。保湿、エモリエントの働き。	○
セージ葉エキス	植物エキス	シソ科セージの葉から抽出したエキス。抗酸化の働き。	○
スギナエキス	植物エキス	トクサ科スギナから抽出したエキス。保湿、収れんの働き。	○
ベルガモット果実油	植物エキス	ミカン科ベルガモットの果実から抽出したオイル。血行促進、香料の働き。	△
ラバンデュラハイブリダ油	植物エキス	シソ科ラバンデュラハイブリダから抽出したオイル。香料の働き。	△
レモン果皮油	植物エキス	ミカン科レモンから抽出したオイル。収れん、保湿の働き。	△
オレンジ果皮油	植物エキス	ミカン科オレンジの果皮から抽出したオイル。血行促進、香料の働き。	△
テレビン油	植物エキス	マツ科の樹木の樹脂を精製して得られるオイル。香料の働き。	△
クスノキ樹皮油	植物エキス	クスノキの樹皮を精製して得られるオイル。抗菌、香料の働き。	△
ラベンダー油	植物エキス	シソ科ラベンダーから抽出したオイル。抗菌、香料の働き。	△
ローズマリー葉油	植物エキス	シソ科マンネンロウから抽出したオイル。抗炎症、抗菌、香料の働き。	△
オランダガラシ葉/茎エキス	植物エキス	アブラナ科のオランダカラシから抽出したエキス。血行促進、細胞活性化の働き。	○
ニンニク根エキス	植物エキス	ユリ科の植物ニンニクから抽出したエキス。細胞活性化、抗菌の働き。	○
アルニカ花エキス	植物エキス	キク科アルニカの花から抽出したエキス。抗炎症、血行促進の働き。	○
ローズマリー葉エキス	植物エキス	シソ科の植物マンネンロウの葉から抽出したエキス。エイジングの働き。	○
ローマカミツレ花エキス	植物エキス	キク科の植物カミツレの花から抽出したエキス。保湿、抗炎症の働き。	○
セイヨウキズタ葉/茎エキス	植物エキス	ウコギ科の植物セイヨウキズタから抽出したエキス。抗炎症、抗菌の働き。	○
オドリコソウ花エキス	植物エキス	シソ科の植物オドリコソウの花から抽出したエキス。消炎、肌質改善の働き。	○
ゴボウ根エキス	植物エキス	キク科の植物ゴボウの根から抽出したエキス。保湿、収れんの働き。	○
セイヨウアカマツ球果エキス	植物エキス	マツ科の植物セイヨウアカマツの球果から抽出したエキス。収れん、保湿の働き。	○
HC青2	着色成分	ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。	△
塩基性茶16	着色成分	ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。	△
塩基性青99	着色成分	ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。	△
HC黄4	着色成分	ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。	△
HC黄2	着色成分	ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。	△

毒性や刺激があり使用を避けるべき成分（×評価）

マイナチュレ オールインワン カラートリートメントには、毒性や刺激があり使用を避けるべき成分は配合されていませんでした。
アレルギー要因成分であるジアミン系染料、酸化剤、刺激性の酸化防止剤なども配合されておらず安心して使用することができます。

 

危険性は少ないものの注意を要する成分（△評価）

マイナチュレ オールインワン カラートリートメントに配合されている成分で、危険性は少ないものの要注意として評価したものは以下の成分です。

 

界面活性剤

• ステアルトリモニウムクロリド

 

マイナチュレには1種類の界面活性剤しか使われていませんが、配合されている界面活性剤「ステアルトリモニウムクロリド」はカチオン（陽イオン）界面活性剤で、配合量によっては刺激性になりうる成分であることから△評価としました。
界面活性剤はクリーム状に乳化するためには欠かすことのできない成分で、一般的なカラートリートメントやヘアトリートメントには必ず使用されています。
乳化の働きだけでなく、帯電防止、ヘアコンディショニングなども目的として配合されていますが、ステアルトリモニウムクロリドは、カチオン界面活性剤の中で最も作用が強い４級カチオン界面活性剤に分類されており、頭皮への刺激はやや気になるところです。

 

エッセンシャルオイル（精油）

• ベルガモット果実油
• ラバンデュラハイブリダ油
• レモン果皮油
• オレンジ果皮油
• テレビン油
• クスノキ樹皮油
• ラベンダー油
• ローズマリー葉油

 

天然植物から抽出されたエッセンシャルオイル（精油）の中には、抗菌や血行促進など効能効果が期待される反面、配合量によっては刺激になるものがあります。
カラートリートメントなど化粧品には希釈されて使用されているはずですが、肌の弱い人の場合は念のため注意をしておいたほうが安心です。

 

またベルガモット果実油やレモン果皮油、オレンジ果皮油は種類や配合量によっては肌についた状態で紫外線に当たると皮膚に刺激となる光毒性の作用をもつ場合があります。
ただしこれらのオイルはエッセンシャルオイルとしてアロマテラピーなどにも一般的に利用されているオイルです。さらにカラートリートメントの場合は大量に配合されているとは考えにくく、べったりと頭皮に塗りつけて使うものでもありませんので、あまり神経質になる必要はありませんが、念のため外出の予定がある場合や日中の白髪染めは避けたほうが無難です。

 

防腐剤

• フェノキシエタノール

 

防腐剤にフェノキシエタノールが配合されています。
パラベン系の防腐剤に比べると効果・刺激ともにマイルドで、パラベンの代替成分としてオーガニック化粧品にも配合されていますが、刺激はゼロというわけではありません。
肌の弱い人はやや注意が必要です。

 

着色成分

• HC青2
• 塩基性茶16
• 塩基性青99
• HC黄4
• HC黄2

 

化学染料は、ジアミン系の染料に比べ刺激は弱くアレルギーリスクも低い成分ですが、天然色素に比べると刺激は強いとされています。そのため△評価としました。
天然色素は安全性は高いもののカラーの安定性が低く、一般的にカラートリートメントには化学染料がメインの染料として配合されており、天然色素は配合されていないか配合されていても補助的な配合となっています。
化学染料の中でも塩基性染料やHC染料はキューティクルを開くことがないことから、髪を傷めず頭皮への刺激もほとんどありません。安定的にカラーを出すことができ、現時点では最も安全な化学染料と言われています。

 

トリートメント成分

トリートメント成分は豊富で、白髪ケア、スカルプケア、ヘアケア、エイジングケアに役立つ成分がバランスよく配合されています。

• 白髪ケア・・・アシタバ葉、ウコン根茎、オレンジラフィー油、フユボダイジュ花
• スカルプケア・・・ゴボウ根、ローズマリー葉、セイヨウキズタ葉、アルテア根、スギナ、ボタン、ガゴメ
• 頭皮ケア・・・ホホバオイル、アルガンオイル
• エイジングケア・・・アルニカ花、オドリコソウ花、セイヨウオトギリソウ、カミツレ花、セージ葉

 

マイナチュレ オールインワン カラートリートメントの成分総評

総合評価：A-
要注意と評価した成分も配合されていますが、いずれもカラートリートメントに一般的に配合されている範囲の比較的危険性の低い成分ばかりです。
多くのカラートリートメントが、マーケティング戦略的な面もありますが、少しでも低刺激性の成分の採用にシフトしつつある中で、マイナチュレの成分はどちらかと言えば染まりやトリートメントの効果に重きが置かれ、ややチャレンジングな配合であるように感じます。
とは言っても、カラートリートメントは化粧品分類であることから、全ての成分は適当な分量の範囲内で配合されており、あまり神経質になる必要はないでしょう。
口コミを見ても刺激を感じている人はほとんど見られず、当サイトのスタッフも複数名で使用してみましたが、刺激を感じることはありませんでした。