POLAグローイングショット カラートリートメント成分鑑定
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化粧品成分スペシャリストの資格を持つスタッフが、人気白髪染め「POLAグローイングショット カラートリートメント」の全成分を徹底鑑定。配合されている成分の想定される役割や働き、副作用やアレルギーのリスクなどの安全性など評価しています。
一般的にカラートリートメントは髪や頭皮に優しい成分が使われていると言われていますが、メーカーごとに配合されている成分には結構違いがあります。
「POLAグローイングショット カラートリートメント」は、スキンケア化粧品メーカーとして有名なPOLA(ポーラ)から販売されている白髪染めです。
化粧品メーカーのカラートリートメントだけに美容成分やトリートメント成分が多く配合されているイメージですが、どのような成分が配合されているのでしょうか?危険な成分は配合されていない?トリートメント成分は?
評価の分類
○ ・・・ 一般的に安全性の高い成分
△ ・・・ 危険性は少ないものの注意を要する成分
× ・・・ 毒性や刺激があり使用を避けるべき成分
成分 | 分類 | 役割・働き | 評価 |
---|---|---|---|
水 | 水性成分 | ベース成分。 | ○ |
ステアリルアルコール | 油性成分 | 鯨ロウやマッコウ鯨油から得られる高級アルコール。乳化安定の働き。 | ○ |
グリセリン | 水性保湿剤 | 天然油脂を加水分解して得られる多価アルコール。保湿の働き。 | ○ |
DPG | 水性保湿剤 | ジプロピレングリコールの略。多価アルコール。べたつきが少なく保湿の働き。 | ○ |
ステアラミドプロピルジメチルアミン | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
水添ポリデセン | 水性保湿剤 | α-オレフィンオリゴマーの水素添加物。エモリエントの働き。 | ○ |
加水分解コメエキス | 植物エキス | 黒米に含まれるタンパク質から抽出したエキス。保湿、皮膚コンディションの働き。 | ○ |
タベブイアインペチギノサ樹皮エキス | 植物エキス | ノウゼンカズラ科パウダルコから抽出したエキス。抗炎症、抗酸化の働き。 | ○ |
セラミド2 | 効能効果成分 | 細胞間脂質の一つ。肌のバリア機能改善、保湿の働き。 | ○ |
セラミド3 | 効能効果成分 | 細胞間脂質の一つ。肌のバリア機能改善、保湿の働き。 | ○ |
ユズ果実エキス | 植物エキス | 柚子の果実から抽出したエキス。保湿、収れんの働き。 | ○ |
ヒマワリ種子エキス | 植物エキス | キク科ヒマワリの種子から抽出したエキス。抗酸化、保湿の働き。 | ○ |
オタネニンジン根エキス | 植物エキス | ウコギ科の植物オタネニンジンから抽出したエキス。血行促進、細胞活性化の働き。 | ○ |
トチャカエキス | 植物エキス | 紅藻類の一種トチャカから抽出したエキス。保湿の働き。 | ○ |
クレアチン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。皮膚コンディショニング、保湿の働き。 | ○ |
アスパラギン酸 | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。細胞活性化、保湿の働き。 | ○ |
アラニン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
アルギニン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
イソロイシン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿、育毛の働き。 | ○ |
グリシン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿、血行促進の働き。 | ○ |
セリン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
トレオニン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
バリン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
ヒスチジン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
フェニルアラニン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
プロリン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿、ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
PCA | 水性保湿剤 | アミノ酸代謝物の一種、ピロリドンカルボン酸のこと。保湿の働き。 | ○ |
PCA-Na | 水性保湿剤 | PCAのナトリウム塩。保湿、ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
イソステアロイル加水分解コラーゲン | 界面活性剤 | タンパク質を原料とした界面活性剤の一種。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD | 界面活性剤 | タンパク質を原料とした界面活性剤の一種。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
加水分解コラーゲン | 水性保湿剤 | コラーゲンの加水分解物。保湿の働き。 | ○ |
コメヌカ油 | 植物エキス | イネのコメヌカから抽出したオイル。エモリエントの働き。 | ○ |
スフィンゴ糖脂質 | 効能効果成分 | セラミドに糖が結合したもの。肌のバリア機能改善、保湿の働き。 | ○ |
イソステアリン酸 | 油性成分 | 炭化水素から合成される飽和脂肪酸。乳化安定の働き。 | ○ |
水添レシチン | 界面活性剤 | レシチンを水素添加で安定させた界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
オレイン酸ポリグリセリル-10 | 界面活性剤 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
デシルグルコシド | 界面活性剤 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
フィトステロールズ | 油性成分 | 植物油脂から抽出したステロール。エモリエントの働き。 | ○ |
アモジメチコン | 油性成分 | アミノ変性シリコーンポリマー。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル | 油性成分 | ペンタエリスリチルとテトライソステアリン酸のエステル。エモリエントの働き。 | ○ |
セテス-20 | 界面活性剤 | セタノールと酸化エチレンから得られる界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
セテス-2 | 界面活性剤 | セタノールと酸化エチレンから得られる界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
クエン酸 | 品質保持剤 | 柑橘類の果実に多く含まれる有機酸。pH調整、キレート剤の働き。 | ○ |
ポリクオタニウム-10 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド | 界面活性剤 | 界面活性剤に近いカチオン化ポリマー。帯電防止の働き。 | △ |
エタノール | その他 | 合成アルコール。植物エキスを抽出するための溶媒の働き。 | ○ |
BG | 水性保湿剤 | ブチレングリコールのこと。保湿、減粘、抗菌の働き。 | ○ |
乳酸Na | 水性保湿剤 | 乳酸を水酸化ナトリウムで中和してできる成分。保湿の働き。 | ○ |
香料 | その他 | 香りをつけるための成分。配合されている香料の種類は不明。 | △ |
フェノキシエタノール | 品質保持剤 | グリコールエーテルアルコールの一種。抗菌の働き。 | △ |
塩基性青99 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC赤3 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC黄2 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC青2 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
POLAグローイングショット カラートリートメントの成分総合評価
毒性や刺激があり使用を避けるべき成分(×評価)
POLAグローイングショット カラートリートメントには、毒性や刺激があり使用を避けるべき成分は配合されていませんでした。
アレルギー要因成分であるジアミン系染料、酸化剤、刺激性の酸化防止剤なども配合されておらず安心して使用することができます。
危険性は少ないものの注意を要する成分(△評価)
POLAグローイングショット カラートリートメントに配合されている成分で、危険性は少ないものの要注意として評価したものは以下の成分です。
界面活性剤
- ステアラミドプロピルジメチルアミン
- ポリクオタニウム-10
- グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
カチオン(陽イオン)界面活性剤が使用されており、配合量によっては刺激性になりうる成分であることから△評価としました。
ただしカラートリートメントに使用されている界面活性剤は、厳しいテストをクリアした安全性の高いものだけが、適当な分量の範囲内で配合されており、頭皮への影響はまず心配する必要はないと言えます。
界面活性剤はクリーム状に乳化するためには欠かすことのできない成分で、一般的なカラートリートメントやヘアトリートメントには必ず使用されています。乳化の働きだけでなく、帯電防止、ヘアコンディショニングなども目的として配合されています。
成分が頭皮に残ってしまうと刺激の原因になる可能性はゼロではありませんので、頭皮に付着したときは成分が残らないようにしっかりと洗い流すと安心です。
※通常のシャンプーやリンス・コンディショナーにも界面活性剤が使われており、同様に頭皮に成分が残らないよう丁寧に洗い流すことが必要です。
防腐剤
- フェノキシエタノール
防腐剤にフェノキシエタノールが配合されています。
パラベン系の防腐剤に比べると効果・刺激ともにマイルドで、パラベンの代替成分としてオーガニック化粧品にも配合されていますが、刺激はゼロというわけではありません。
肌の弱い人はやや注意が必要です。
香料
- 香料
化粧品の全成分表示ルールにおいて、香料は複数成分から構成されている場合でも一括りで香料と表示することができることから、使用されている香料の種類や配合量等は不明です。
香料は配合される材料によってはアレルギーを引き起こしたり肌の負担になる可能性があることから△評価としました。
香料は少量で十分な効果が得られ、カラートリートメントに刺激性の強い香料成分が配合されているとは考えにくいですが、念のため注意が必要です。
着色成分
- 塩基性青99
- HC赤3
- HC黄2
- HC青2
化学染料は、ジアミン系の染料に比べ刺激は弱くアレルギーリスクも低い成分ですが、天然色素に比べると刺激は強いとされています。そのため△評価としました。
天然色素は安全性は高いもののカラーの安定性が低く、一般的にカラートリートメントには化学染料がメインの染料として配合されており、天然色素は配合されていないか配合されていても補助的な配合となっています。
化学染料の中でも塩基性染料やHC染料はキューティクルを開くことがないことから、髪を傷めず頭皮への刺激もほとんどありません。安定的にカラーを出すことができ、現時点では最も安全な化学染料と言われています。
トリートメント成分
スキンケアブランドらしく、毛髪補修成分や頭皮環境を整える美容成分が豊富に配合されています。
毛髪補修成分
- セラミド2、セラミド3、スフィンゴ糖脂質などセラミド5種
- アスパラギン酸、イソロイシン、グリシンなどアミノ酸14種
- 紅藻類の一種トチャカから抽出したトチャkエキス
頭皮環境を整える美容成分
- 抗炎症、抗酸化力の強いパウダルコ樹皮エキス(タベブイアインペチギノサ樹皮エキス)
- 加水分解コラーゲン、イソステアロイル加水分解コラーゲンなどコラーゲン3種
- 血行促進、細胞活性化に期待できるオタネニンジン根エキス
- POLAオリジナルの黒米エキス(加水分解コメエキス)
POLAグローイングショット カラートリートメントの成分総評
総合評価:A-
要注意と評価した成分も配合されていますが、いずれもカラートリートメントに一般的に配合されている範囲の比較的危険性の低い成分ばかりです。
多くのカラートリートメントが、マーケティング戦略的な面もありますが、少しでも低刺激性の成分の採用にシフトしつつある中で、グローイングショットはどちらかと言えば染まりやトリートメントの効果に重きが置かれ、ややチャレンジングな成分配合であるように感じます。
とは言っても、カラートリートメントは化粧品分類であることから、全ての成分は適当な分量の範囲内で配合されており、あまり神経質になる必要はないでしょう。
スキンケアブランドだけにヘアケア・頭皮ケアとして効果が期待できるトリートメント成分が豊富に配合されています。
■注意事項
白髪染めの成分鑑定は、各種の文献を参考に、化粧品成分スペシャリストの資格をもつスタッフが行い、独自の判断の元で評価をしています。
効果や影響は配合量によっても違いがありますが、成分表からは各成分の配合量を知りえることはできません。表示順位から効果や影響を類推しています。
また評価している白髪染めはスタッフが実際に一定期間使用し、刺激やアレルギー反応がないことを確認しています。
しかしながら全ての人に刺激やアレルギーが出ないという保証はなく、このページで安全と評価している成分の安全性自体を保証するものではありません。
白髪染めを使用して異常を感じる場合はただちに使用をやめ、医師の相談のうえ使用の判断をしてください。
■参考文献
化粧品成分ガイド / 宇山 光男 (著), 久光 一誠 (著), 岡部 美代治 (著)
化粧品成分用語事典 / 鈴木一成 (著)
化粧品成分表示のかんたん読み方手帳 / 久光 一誠 (監修)
やさしい化粧品&サプリメント成分辞典 / 霜川 忠正 朝田 康夫 (監修)
自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典 / 小澤 王春 (著)
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