利尻カラーシャンプー成分鑑定
ツイート化粧品成分スペシャリストの資格を持つスタッフが、人気白髪染めシャンプー「利尻カラーシャンプー」の全成分を徹底鑑定。配合されている成分の想定される役割や働き、副作用やアレルギーのリスクなどの安全性など評価しています。
「利尻カラーシャンプー」は、1本にシャンプーと白髪染めの機能があり、毎日シャンプーをしているだけで白髪ケアもできてしまう便利アイテムです。
公式サイトでは無添加・アミノ酸系シャンプーで髪や頭皮にやさしいと謳っていますが、実際にどのような成分が配合されているのでしょうか。
本当に危険な成分は配合されていない?アレルギーリスクは大丈夫?トリートメント成分は?
評価の分類
○ ・・・ 一般的に安全性の高い成分
△ ・・・ 危険性は少ないものの注意を要する成分
× ・・・ 毒性や刺激があり使用を避けるべき成分
成分 | 分類 | 役割・働き | 評価 |
---|---|---|---|
水(特殊水) | 水性成分 | ベース成分。 | ○ |
ラウラミドDEA | 界面活性剤 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
コカミドプロピルベタイン | 界面活性剤 | ヤシ油を原料にした両性界面活性剤。増粘、増泡の働き。 | ○ |
ラウレス-4カルボン酸Na | 界面活性剤 | 酸性セッケン系界面活性剤。洗浄成分。 | ○ |
ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシン | 界面活性剤 | アミノ酸系両性界面活性剤。増泡の働き。 | ○ |
ポリクオタニウム-10 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
ココイルアラニンTEA | 界面活性剤 | アミノ酸系陰イオン(アニオン)界面活性剤。洗浄成分。 | ○ |
ココイルグルタミン酸TEA | 界面活性剤 | アミノ酸系陰イオン(アニオン)界面活性剤。洗浄成分。 | ○ |
ラウロイルメチルアラニンNa | 界面活性剤 | アミノ酸系陰イオン(アニオン)界面活性剤。洗浄成分。 | ○ |
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa | 界面活性剤 | 旭化成ファインケムの開発した成分(ペリセア)。髪のダメージ補修の働き。 | ○ |
PEG-32 | 水性保湿剤 | 多価アルコールの一種の合成ポリマー。保湿、増粘の働き。 | ○ |
PPG-3 カプリリルエーテル | 油性成分 | シリコーン由来の合成ポリマー。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
リシリコンブエキス | 水性保湿剤 | 利尻昆布から抽出されるフコイダン含有エキス。保湿、頭皮コンディショニング。 | ○ |
アルギニン | 水性保湿剤 | アミノ酸の一種。保湿の働き。 | ○ |
アルギン酸Na | 水性保湿剤 | 昆布のヌルヌル成分を素にした成分。乳化安定、保湿の働き。 | ○ |
アルテア根エキス | 植物エキス | アオイ科の植物アルテアの根から抽出したエキス。保湿、エモリエントの働き。 | ○ |
アルニカ花エキス | 植物エキス | キク科の植物アルニカの花から抽出したエキス。消炎、血行促進の働き。 | ○ |
エタノール | その他 | 合成アルコール。植物エキスを抽出するための溶媒の働き。 | ○ |
オオウメガサソウ葉エキス | 植物エキス | イチヤクソウ科のオオウメガサソウの葉から抽出したエキス。保湿、消臭の働き。 | ○ |
オクラ果実エキス | 植物エキス | アオイ科の植物オクラから抽出したエキス。保湿、細胞活性化の働き。 | ○ |
オタネニンジン根エキス | 植物エキス | ウコギ科の植物オタネニンジンから抽出したエキス。血行促進、細胞活性化の働き。 | ○ |
オドリコソウエキス | 植物エキス | シソ科オドリコソウから抽出したエキス。収れん、消炎の働き。 | ○ |
オランダガラシ葉エキス | 植物エキス | アブラナ科のオランダカラシから抽出したエキス。血行促進、細胞活性化の働き。 | ○ |
カミツレ花エキス | 植物エキス | キク科の植物カミツレの花から抽出したエキス。消炎、保湿、養毛の働き。 | ○ |
カワラヨモギ花エキス | 植物エキス | キク科の植物カワラヨモギの花から抽出したエキス。消炎、皮膚修復の働き。 | ○ |
クエン酸 | 品質保持剤 | 柑橘類の果実に多く含まれる有機酸。pH調整、キレート剤の働き。 | ○ |
グリチルリチン酸2K | 効能効果成分 | マメ科植物カンゾウから抽出したグリチルリチン酸の誘導体。抗炎症の働き。 | ○ |
ゲンチアナ根エキス | 植物エキス | リンドウ科の植物ゲンチアナの根から抽出したエキス。血行促進、消炎の働き。 | ○ |
ゴボウ根エキス | 植物エキス | キク科の植物ゴボウの根から抽出したエキス。保湿、収れんの働き。 | ○ |
加水分解シルク | 水性保湿剤 | シルクに含まれるタンパク質を加水分解してできる成分。保湿の働き。 | ○ |
セイヨウアカマツ球果エキス | 植物エキス | マツ科の植物セイヨウアカマツの球果から抽出したエキス。収れん、保湿の働き。 | ○ |
セイヨウキズタ葉エキス | 植物エキス | ウコギ科セイヨウキズタから抽出したエキス。抗炎症、収れんの働き。 | ○ |
センブリエキス | 植物エキス | リンドウ科の薬草センブリから抽出したエキス。抗酸化、血行促進の働き。 | ○ |
ニンニク根エキス | 植物エキス | ユリ科の植物ニンニクから抽出したエキス。細胞活性化、抗菌の働き。 | ○ |
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム | その他 | ヒアルロン酸をカチオン化した成分。保湿、帯電防止の働き。 | ○ |
フェノキシエタノール | 品質保持剤 | グリコールエーテルアルコールの一種。抗菌の働き。 | △ |
フユボダイジュ花エキス | 植物エキス | シナノキ科の植物フユボダイジュの花から抽出したエキス。抗炎症、収れんの働き。 | ○ |
プラセンタエキス | 効能効果成分 | 豚、羊、馬の胎盤から精製水で抽出したエキス。保湿、血行促進、細胞活性化。 | ○ |
ボタンエキス | 植物エキス | ボタン科の植物ボタンの根の皮から抽出したエキス。抗炎症、血行促進の働き。 | ○ |
ポリクオタニウム-53 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
ポリクオタニウム-6 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
ポリクオタニウム-7 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル | 品質保持剤 | 油溶性成分の一種。高い抗酸化作用。退色防止、香料安定、酸化防止の働き。 | ○ |
ユズ果実エキス | 植物エキス | 柚子の果実から抽出したエキス。保湿、収れんの働き。 | ○ |
ローズマリー葉エキス | 植物エキス | シソ科の植物マンネンロウの葉から抽出したエキス。エイジングの働き。 | ○ |
ローマカミツレ花エキス | 植物エキス | キク科の植物カミツレの花から抽出したエキス。保湿、抗炎症の働き。 | ○ |
ローヤルゼリーエキス | 効能効果成分 | ミツバチが女王バチのために分泌する物質。保湿、皮膚の新陳代謝促進。 | ○ |
塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン | 界面活性剤 | じゃがいものデンプン由来のカチオン界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニング。 | △ |
加水分解ケラチン(羊毛) | 水性保湿剤 | ケラチンタンパク質を加水分解してできる成分。ヘア・頭皮コンディショニング。 | ○ |
加水分解コンキオリン | 水性保湿剤 | 貝殻に含まれる硬タンパク質。細胞活性化、保湿の働き。 | ○ |
カキタンニン | 植物エキス | 柿の葉から抽出される成分。収れん、抗酸化、消臭の働き。 | ○ |
乳酸 | 効能効果成分 | デンプンの発酵や化学合成でできる成分。保湿、エモリエントの働き。 | ○ |
乳酸Na | 水性保湿剤 | 乳酸を水酸化ナトリウムで中和してできる成分。保湿の働き。 | ○ |
カプリル酸グリセリル | 界面活性剤 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
ウンデシレン酸グリセリル | 界面活性剤 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤。乳化安定、抗菌の働き。 | ○ |
PEG-2ベンジルエーテル | 油性成分 | ベンジルアルコールのポリエチレングリコールエーテル。溶剤の働き。 | ○ |
コシロノセンダングサエキス | 植物エキス | キク科コシロノセンダングサから抽出したエキス。保湿、抗炎症の働き。 | ○ |
ムラサキ根エキス | 植物エキス | ムラサキ科のセイヨウムラサキから抽出したエキス。天然色素。抗炎症の働きも。 | ○ |
ウコン根茎エキス | 植物エキス | ショウガ科のウコンの根から抽出したエキス。天然色素。抗炎症の働きも。 | ○ |
加水分解クチナシエキス | 植物エキス | アカネ科のクチナシから抽出したエキス。天然色素。抗炎症、保湿の働きも。 | ○ |
水溶性アナトー | 植物エキス | ベニノキの種子から抽出したエキス。天然色素。 | ○ |
HC黄4 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC青2 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性青75 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性茶16 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性赤51 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性黄87 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性青99 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
利尻カラーシャンプーの成分総合評価
毒性や刺激があり使用を避けるべき成分(×評価)
利尻カラーシャンプーには、毒性や刺激があり使用を避けるべき成分は配合されていませんでした。
アレルギー要因成分であるジアミン系染料、酸化剤、刺激性の酸化防止剤なども配合されておらず安心して使用することができます。
危険性は少ないものの注意を要する成分(△評価)
利尻カラーシャンプーに配合されている成分で、危険性は少ないものの要注意として評価したものは以下の成分です。
界面活性剤
- ポリクオタニウム-10
- ポリクオタニウム-53
- ポリクオタニウム-6
- ポリクオタニウム-7
- 塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン
いずれもカチオン(陽イオン)界面活性剤で、配合量によっては刺激性になりうる成分であることから△評価としました。
ただしカラーシャンプーやカラートリートメントのカテゴリは化粧品で、使用されている界面活性剤は、厳しいテストをクリアした安全性の高いものだけが、適当な分量の範囲内で配合されており、頭皮への影響はまず心配する必要はないと言えます。
界面活性剤はクリーム状に乳化するためには欠かすことのできない成分で、一般的なカラートリートメントやヘアトリートメントには必ず使用されています。乳化の働きだけでなく、帯電防止、ヘアコンディショニングなども目的として配合されています。
利尻カラーシャンプーにはカチオン界面活性剤の中でも刺激性の低いものが使用されていますが、地肌に成分が残った場合、刺激の要因になる可能性はゼロではありませんので、頭皮に成分が残らないようよくすすぐようにしましょう。
※通常のシャンプーやリンス・コンディショナーにも界面活性剤が使われており、同様に頭皮に成分が残らないよう丁寧に洗い流すことが必要です。
防腐剤
- フェノキシエタノール
防腐剤にフェノキシエタノールが配合されています。
パラベン系の防腐剤に比べると効果・刺激ともにマイルドで、パラベンの代替成分としてオーガニック化粧品にも配合されていますが、刺激はゼロというわけではありません。
肌の弱い人はやや注意が必要です。
着色成分
- HC黄4
- HC青2
- 塩基性青75
- 塩基性茶16
- 塩基性赤51
- 塩基性黄87
- 塩基性青99
- 4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール
化学染料は、ジアミン系の染料に比べ刺激は弱くアレルギーリスクも低い成分ですが、天然色素に比べると刺激は強いとされています。そのため△評価としました。
利尻カラーシャンプーには、天然色素もいくつか配合されていますが、天然色素はカラーの安定性が低く、それだけではきれいな髪色が出せずカラーも持続させることができません。
そのため一般的にカラーシャンプーやカラートリートメントには化学染料がメインの染料として配合されています。
化学染料の中でも塩基性染料やHC染料はキューティクルを開くことがないことから、髪を傷めず頭皮への刺激もほとんどありません。安定的にカラーを出すことができ、現時点では最も安全な化学染料と言われています。
トリートメント成分
ミネラル分が豊富で保湿にも効果的な利尻昆布エキスのほか、頭皮の保湿や血行促進、養毛に効果が期待できる植物成分や、ケラチンPPT・シルクPPTなどのヘアコンディショニング成分も豊富に配合されています。
トリートメント成分は配合されていますが、カラーシャンプーの特性上、カラートリートメントに比べるとやや抑え気味の印象です。
利尻カラーシャンプーの成分総評
総合評価:A
要注意と評価した成分も配合されていますが、いずれもカラートリートメントなどにも一般的に配合されている範囲の比較的危険性の低い成分ばかりです。
防腐剤や酸化防止剤も刺激性の低い成分が採用されており、配合成分に十分注意がはらわれていることがよく分かります。
配合されている洗浄成分は全てアミノ酸系なので、頭皮のオイルコントロール力にも優れています。今まで市販の量販高級アルコール系シャンプーを使っていた方であれば、このカラーシャンプーに切り替えるだけでも頭皮環境の改善につながることが期待できそうです。
■注意事項
白髪染めの成分鑑定は、各種の文献を参考に、化粧品成分スペシャリストの資格をもつスタッフが行い、独自の判断の元で評価をしています。
効果や影響は配合量によっても違いがありますが、成分表からは各成分の配合量を知りえることはできません。表示順位から効果や影響を類推しています。
また評価している白髪染めはスタッフが実際に一定期間使用し、刺激やアレルギー反応がないことを確認しています。
しかしながら全ての人に刺激やアレルギーが出ないという保証はなく、このページで安全と評価している成分の安全性自体を保証するものではありません。
白髪染めを使用して異常を感じる場合はただちに使用をやめ、医師の相談のうえ使用の判断をしてください。
■参考文献
化粧品成分ガイド / 宇山 光男 (著), 久光 一誠 (著), 岡部 美代治 (著)
化粧品成分用語事典 / 鈴木一成 (著)
化粧品成分表示のかんたん読み方手帳 / 久光 一誠 (監修)
やさしい化粧品&サプリメント成分辞典 / 霜川 忠正 朝田 康夫 (監修)
自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典 / 小澤 王春 (著)
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