玉髪ヘアカラートリートメント成分鑑定
ツイート化粧品成分スペシャリストの資格を持つスタッフが、人気白髪染め「玉髪ヘアカラートリートメント」の全成分を徹底鑑定。配合されている成分の想定される役割や働き、副作用やアレルギーのリスクなどの安全性など評価しています。
一般的にカラートリートメントは髪や頭皮に優しい成分が使われていると言われていますが、メーカーごとに配合されている成分には結構違いがあります。
「玉髪ヘアカラートリートメント」にはどのような成分が配合されているのでしょうか?危険な成分は配合されていない?トリートメント成分は?
評価の分類
○ ・・・ 一般的に安全性の高い成分
△ ・・・ 危険性は少ないものの注意を要する成分
× ・・・ 毒性や刺激があり使用を避けるべき成分
成分 | 分類 | 役割・働き | 評価 |
---|---|---|---|
水 | 水性成分 | ベース成分。 | ○ |
ステアリルアルコール | 油性成分 | 鯨ロウやマッコウ鯨油から得られる高級アルコール。乳化安定の働き。 | ○ |
グリセリン | 水性保湿剤 | 天然油脂を加水分解して得られる多価アルコール。保湿の働き。 | ○ |
ベヘニルアルコール | 油性成分 | ナタネ油由来の高級アルコール。乳化安定の働き。 | ○ |
セテス-20 | 界面活性剤 | セタノールと酸化エチレンから得られる界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
ガゴメエキス | 水性保湿剤 | ガゴメ昆布から抽出されるフコイダン含有エキス。保湿、頭皮コンディショニング。 | ○ |
ツバキ種子油 | 植物エキス | ツバキの種子から抽出したオイル。保湿、ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
アロエベラ葉エキス | 植物エキス | ユリ科アロエの葉から抽出したエキス。保湿の働き。 | ○ |
ハチミツ | 水性保湿剤 | ミツバチが集めた花蜜。保湿、抗菌の働き。 | ○ |
ザクロ果実エキス | 植物エキス | ミソハギ科ザクロの果実から抽出したエキス。保湿の働き。 | ○ |
センチフォリアバラ花エキス | 植物エキス | バラ科センチフォリアバラの花から抽出したエキス。香料の働き。 | ○ |
ユズ果実エキス | 植物エキス | 柚子の果実から抽出したエキス。保湿、収れんの働き。 | ○ |
温泉水 | 水性成分 | 地中から湧き出るミネラル成分が豊富な泉水。温泉成分は不明。 | ○ |
加水分解コンキオリン | 水性保湿剤 | 貝殻に含まれる硬タンパク質。細胞活性化、保湿の働き。 | ○ |
オレンジ油 | 植物エキス | ミカン科オレンジから抽出したオイル。香料の働き。 | △ |
BG | 水性保湿剤 | ブチレングリコールのこと。保湿、減粘、抗菌の働き。 | ○ |
ポリクオタニウム-7 | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
ベタイン | 水性保湿剤 | 植物から抽出されるアミノ酸系保湿剤。保湿、ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
パルミチン酸イソプロピル | 油性成分 | パルミチン酸イソプロピル | ○ |
ベヘントリモニウムクロリド | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
ステアラミドプロピルジメチルアミン | 界面活性剤 | カチオン(陽イオン)界面活性剤。帯電防止、ヘアコンディショニングの働き。 | △ |
アラビアゴム | 品質保持剤 | アラビアゴムノキから滲出するガム状物質。乳化安定の働き。 | ○ |
ヒドロキシエチルセルロース | 品質保持剤 | 食物繊維から合成された高分子化合物。増粘の働き。 | ○ |
セテス-2 | 界面活性剤 | セタノールと酸化エチレンから得られる界面活性剤。乳化安定の働き。 | ○ |
AMP | その他 | 脂肪族アルコールの誘導体。中和(pH調整)、乳化の働き。 | ○ |
クエン酸 | 品質保持剤 | 柑橘類の果実に多く含まれる有機酸。pH調整、キレート剤の働き。 | ○ |
デキストリン | 水性保湿剤 | デンプンを加水分解して低分子化させた総称。増粘の働き。 | ○ |
セルロース | 品質保持剤 | 植物などから作られる食物繊維の一種。乳化安定の働き。 | ○ |
加水分解クチナシエキス | 植物エキス | アカネ科のクチナシから抽出したエキス。天然色素。抗炎症、保湿の働きも。 | ○ |
ベニバナ赤 | 植物エキス | キク科のベニバナから抽出したエキス。天然色素。保湿の働きも。 | ○ |
アンナット | 着色成分 | ベニノキの種子から得られる色素。天然の着色剤。 | ○ |
イソプロパノール | その他 | 脂肪族のアルコール。溶媒、抗菌の働き。 | ○ |
ビスセテアリルアモジメチコン | 油性成分 | シリコーン化合物。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
メチルパラベン | 品質保持剤 | 防腐剤の一種。抗菌の働き。 | △ |
ジメチコン | 油性成分 | シリコーン油の一種。ヘアコンディショニングの働き。 | ○ |
ウコン根エキス | 植物エキス | ショウガ科ウコンの根茎から抽出したエキス。抗炎症、着色剤の働き。 | ○ |
HC青2 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC黄4 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
HC赤3 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性青99 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
塩基性茶16 | 着色成分 | ヘアカラートリートメントで一般的に使われる染料。 | △ |
玉髪ヘアカラートリートメントの成分総合評価
毒性や刺激があり使用を避けるべき成分(×評価)
玉髪ヘアカラートリートメントには、毒性や刺激があり使用を避けるべき成分は配合されていませんでした。
アレルギー要因成分であるジアミン系染料、酸化剤、刺激性の酸化防止剤なども配合されておらず安心して使用することができます。
危険性は少ないものの注意を要する成分(△評価)
玉髪ヘアカラートリートメントに配合されている成分で、危険性は少ないものの要注意として評価したものは以下の成分です。
界面活性剤
- ポリクオタニウム-7
- ベヘントリモニウムクロリド
- ステアラミドプロピルジメチルアミン
いずれもカチオン(陽イオン)界面活性剤で、配合量によっては刺激性になりうる成分であることから△評価としました。
特にベヘントリモニウムクロリドは、カチオン界面活性剤の中で最も作用が強い4級カチオン界面活性剤に分類されています。
ただしカラートリートメントに使用されている界面活性剤は、厳しいテストをクリアした安全性の高いものだけが、適当な分量の範囲内で配合されており、頭皮への影響はあまり心配する必要はないと言えます。
界面活性剤はクリーム状に乳化するためには欠かすことのできない成分で、一般的なカラートリートメントやヘアトリートメントには必ず使用されています。乳化の働きだけでなく、帯電防止、ヘアコンディショニングなども目的として配合されています。
成分が頭皮に残ってしまうと刺激の原因になる可能性はゼロではありませんので、頭皮に付着したときは成分が残らないようにしっかりと洗い流すと安心です。
※通常のシャンプーやリンス・コンディショナーにも界面活性剤が使われており、同様に頭皮に成分が残らないよう丁寧に洗い流すことが必要です。
エッセンシャルオイル(精油)
- オレンジ油
香りづけのためだと思いますがオレンジ油が配合されています。
オレンジの種類が不明ですが、種類によっては肌についた状態で紫外線に当たると皮膚刺激になり得る光毒性の作用をもつ場合があるので注意が必要です。
カラートリートメントなど化粧品には希釈されて使用されているはずですし、べったりと頭皮に塗りつけて使うものでもありませんので、あまり神経質になる必要はありませんが、肌の弱い人の場合は念のため注意をしておいたほうが安心です。
防腐剤
- メチルパラベン
防腐剤にメチルパラベンが配合されています。
パラベン系の防腐剤は安全性の認められた成分ではありますが、肌へ負担になる可能性があることから、化粧品では使用が避けられることが多い成分です。
メチルパラベンはパラベンの中では最も作用が弱くそのぶん肌への負担も抑えられていますが、肌の弱い人はやや注意が必要です。
着色成分
- HC青2
- HC黄4
- HC赤3
- 塩基性青99
- 塩基性茶16
化学染料は、ジアミン系の染料に比べ刺激は弱くアレルギーリスクも低い成分ですが、天然色素に比べると刺激は強いとされています。そのため△評価としました。
天然色素は安全性は高いもののカラーの安定性が低く、一般的にカラートリートメントには化学染料がメインの染料として配合されており、天然色素は配合されていないか配合されていても補助的な配合となっています。
化学染料の中でも塩基性染料やHC染料はキューティクルを開くことがないことから、髪を傷めず頭皮への刺激もほとんどありません。安定的にカラーを出すことができ、現時点では最も安全な化学染料と言われています。
トリートメント成分
ガゴメ昆布エキスを始め、ツバキ種子油、アロエベラ、ハチミツなど8種類の天然トリートメント成分が配合されているので、使用感がよく、使った後は髪がふんわりとボリュームアップするのが感じられます。
玉髪ヘアカラートリートメントの成分総評
総合評価:B+
要注意と評価した成分も配合されていますが、いずれもカラートリートメントに一般的に配合されている範囲の比較的危険性の低い成分ばかりです。
多くのカラートリートメントが、マーケティング戦略的な面もありますが、少しでも低刺激性の成分の採用にシフトしつつある中で、玉髪ヘアカラートリートメントには4級カチオン界面活性剤やパラベン系防腐剤などやや注意を要する成分が気になるため、厳しめの評価ですがB+評価としました。
とは言っても、カラートリートメントは化粧品分類であることから、全ての成分は適当な分量の範囲内で配合されており、あまり神経質になる必要はありません。
口コミを見ても刺激を感じている人はほとんど見られず、当サイトのスタッフも複数名で使用してみましたが、刺激を感じることはありませんでした。
■注意事項
白髪染めの成分鑑定は、各種の文献を参考に、化粧品成分スペシャリストの資格をもつスタッフが行い、独自の判断の元で評価をしています。
効果や影響は配合量によっても違いがありますが、成分表からは各成分の配合量を知りえることはできません。表示順位から効果や影響を類推しています。
また評価している白髪染めはスタッフが実際に一定期間使用し、刺激やアレルギー反応がないことを確認しています。
しかしながら全ての人に刺激やアレルギーが出ないという保証はなく、このページで安全と評価している成分の安全性自体を保証するものではありません。
白髪染めを使用して異常を感じる場合はただちに使用をやめ、医師の相談のうえ使用の判断をしてください。
■参考文献
化粧品成分ガイド / 宇山 光男 (著), 久光 一誠 (著), 岡部 美代治 (著)
化粧品成分用語事典 / 鈴木一成 (著)
化粧品成分表示のかんたん読み方手帳 / 久光 一誠 (監修)
やさしい化粧品&サプリメント成分辞典 / 霜川 忠正 朝田 康夫 (監修)
自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典 / 小澤 王春 (著)
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